かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 そんな、大事件にも匹敵するものがあったのに、彼はいつもと同じ態度をとる。 
 あの時は、あんなにも甘い声を出していたのに――いつもと変わらない彼の態度に、ちょっと拍子抜けする。
 もうちょっと、まごまごしたら可愛いのにな、そう思いながら。
「あの子は」
 私とそういうことがあったのに、彼は香花ちゃんのことが心配なようだ。
「彼氏できたって。それから、仲のいい友だちも復活したって。別のクラスだけど」
「そか」
 彼は何の驚きも見せず、淡々としたものだった。
「じゃ、ふたりで飯食うか」 
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