かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「うん」
 そんな申し出に、私は思わず純の腕に巻きつきたくなる。
 だけど、ここは学校。みんなが見ている。
 本当はそんなこと、私は気にしないけれど、純が気にすると思って、私は自粛しておいた。
 私は、取り敢えず席を確保しようと、空いている誰かの席をうろうろと視線を泳がせていた時だった。
 校内放送がぴんぽんぱん、と流れたのだった。
「2年5組の、斎田なつみさん、斎田なつみさん、至急、職員室まで来なさい」
 そんな校内放送が流れたのだった。
 なっちゃんが? 斎田なつみとは、去年同じクラスで、今も時たまつるんでいるなっちゃんのことだった。
 私ははっとした。
 この間、剣道部のコーチと抱き合っていた姿を思い出した。
 それが、バレた!?
 咄嗟にそれを思った。
「ごめん、純。ちょっと行ってくる!」
< 317 / 400 >

この作品をシェア

pagetop