かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 それからというもの、あたらしい学期が始まり、また学校生活での日常が繰り返されるようになっても、純と私は決別状態だった。
 純のことを好きと堂々と言っていながら、高野先生とつきあうみたいなことをして、何て私は浅慮なのだろうと自己嫌悪に陥っていた。
 新学期の席替えもあり、純とは思いっきりこれでもかってくらいの離れた席になってしまった。
 純は私に近づこうとしなかったし、私も話しかけることはなかった。
 つい最近、キスしたのが嘘みたいに、まるでなかったことのようにふたりは離れていた。
< 331 / 400 >

この作品をシェア

pagetop