うるせえ、玉の輿。
業平は、もこもこのピンク色のルームウエアにピンで髪を横に流して、ウサギのもこもこスリッパで降りてきた。
「業平って女の子になりたい人じゃないの?」
「やあね。私は可愛いものが好きなだけ。ピンクも可愛い、ケーキの上の苺も可愛い、もこもこした動物も可愛い、爽やかに汗を流す穢れのない青年も可愛い、もちろん麻琴ちゃんは無条件で可愛いわ」
「……そう」
最後の二つの共通点が分からなかったけど、温めたスープとご飯を並べる。
すると業平がクスクス笑いだした。
「なに?」
「いや、うちで初めて麻琴ちゃんがご飯食べた日を思い出したの。ママったら大皿いっぱいにからあげ作ってね。10人前ぐらいあるんじゃないかなって」
スープを萌え袖で持つと、フーフーしながら顔がとろけていく。
「麻琴ちゃんったらね、緊張しているし遠慮してるし、からあげの下のキャベツしか食べないの。こんなに山みたいにからあげがあるのに、から揚げを避けて、キャベツ食べてるの。すっごく健気でね」
「……そーですか」
「この子は誰よりもから揚げを食べて幸せな顔にならないといけないって思ったのよ」
スープに移る自分の顔を見つめながら、その声だけは低くて私の心を叩いた気がする。
やっぱり、業平は優しい。心が優しくて、心もイケメンで美しいと思う。
やはり、ここはおじさんおばさんの願いを叶えたいと思う。
席に着き、いただきますと二人で声を合わせて言った瞬間に、チャンスを逃したくなくて言った。
「あのさ、子作りの件なんだけど」
「ぶっ」