うるせえ、玉の輿。


「ううむ」

会議室に帰り、桃のシャーベットを食べながら考える。
星の形の桃が、ソーダ―色のシャーベットの中に散りばめられ、さっぱりしているのに甘くて美味しい。業平は、差し入れのセンスも最高だ。

「むむむむ」
「何を悩んでるのー?」
社長がまた不思議そうに話しかけてきた。

「許婚の好きな人が良い人だったんですよ。だから、もう少し調べてから祝福してあげたいなって思ってるんです」
「ほうほう」

社長はピザを一口かじり、たらりと垂れるチーズをはふはふと口の中に落としながらふと動きを止めた。
「喉に詰まりました?」
お茶を差し出すと、社長は首を振る。
「いや、君の許婚と好きな人は両想いじゃないんだね」
「はい。超一方的な片思いです」

もし彼の恋愛対象が異性だけならば、ただのお得意様と契約者ってだけの関係だ。

「じゃあまずその二人が上手くいくか画策して、駄目だったら君が貰ってあげるというのは?」
「逆です。貰ってもらう感じになります」




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