うるせえ、玉の輿。
とは言いつつも、この人、頭打ってたらどうしよう。
病院の方がいいのかな。
「う、っ」
「ジョージさん?」
「つ、つめ、たい」
直接保冷剤をあてていた額を触ると、うっすらと目を開けた。
「ごめんなさい。私、男性に触られるのがトラウマで。業平とか、暴力振るず生きてきたようなおじちゃんとかなら平気なんだけど、ごめんなさい」
「麻琴さん……」
ぼんやりした目で私を見ていたが、急に眼を見開いて飛び上がった。
「配達の途中でした! すいませんっ」
「いや、こちらこそ蹴ってごめんなさい」
「あ、顎。顎が、すっごい響いたんです。良い足ですね」
起き上がった彼は、なぜか私のキックを褒めてくれるお人よしさんだった。
「あの、頭打ってません?」
「大丈夫です。ぎりぎりで虹村社長が助けてくださったし。あ、段ボールの配達」
脳震盪だったかもしれないのに、もう立ち上がって玄関先に転がった段ボールの心配をしている。
走って軽々と二つ持ち上げると玄関へとやってきた。
「んんんんん。丞爾くーん」
「虹村社長」