うるせえ、玉の輿。
これだけ用意しても、成人男性がどれぐらい食べるか分からない私は足りない気がしてきた。あとはマカロニサラダとバナナでも置いておこうかな。
彼はバナナが似合いそう。
それとお酒を飲ませるために、冷蔵庫にあったチーズとクラッカー。焼き明太子を作る。
彼は上品なワインより、発泡酒とか飲んでそう。
「業平、ビールってある?」
「きゃ、きゃあ」
脱衣所にいた業平に、ノックもせずに開けてそう聞くと、胸を隠して後ずさった。
代わりに、穿いている意味があるのかわからない際どいビキニパンツがしっかり見える。
「なんで胸を隠すの。股間を隠せばいいのに。ビール、ある?」
「ビールは、私も麻琴ちゃんも嫌いでしょ? チューハイとか缶系のものは置いてないの」
そういえばうちの親父が、ビール派だったっけ。
親父から給食費を強奪するために、缶で殴りかかって負けたのを思い出す。
缶は痛いのだ。
「ワインだけか。似合わないけど飲ませるしかないってことだね」
「あのう、出て行ってもらえるかしら。シャワー浴びれないわ」
「ああ、ごめんね。どうぞどうぞ」