うるせえ、玉の輿。
私は料理も並べ終わり、炊飯器の隣にお茶碗を三つ重ねて置き、後を追った。
「オネエ言葉じゃない業平の話し方が聞きたい」
タンクトップだし化粧もしてない今なら、普通の男の人に見えるかもしれない。
「ええー。いやよ」
「なんで!?」
「麻琴ちゃんが私を嫌いになっちゃったら寂しいもの」
ペタペタと入念に化粧水を肌に塗り込みながら、笑う。
「私が、なんで業平を嫌いになるの? 天変地異が起こっても、明日業平の会社が倒産しても、嫌いにならないよ?」
業平と業平の両親は、私を地獄から救ってくれた神様のような人々なんだから。
「そお? じゃあ、ちょっとだけ。――おいで、麻琴」
人差し指でくいくいと手招きされたので、ソファに座っている業平の隣に座った。
そして魔法にかけられていない、イケメン姿の顔を見上げる。
業平は、不敵の笑みを浮かべて私を見ている。
「あれ言ってよ。ごはんにする? 私にする?ってやつ」
「え、お風呂にする? じゃないの?」
「お風呂入ったから。ね、言って」