うるせえ、玉の輿。
お茶を渡すと、小さく頭を下げてそちらも一気に飲み干した。
大きな男の人が縮こまって頭を下げるのって少し可愛い。
「あの、野菜炒めも美味しいです」
「良かった」
「俺、弟と妹がまだ小学生で、いっつも婆ちゃんに預けて仕事して、帰ったら婆ちゃんの塩辛い焼きそばとか、お魚とかなんですけど」
真っ赤な顔になった。酔いが回るのが早い。
じっと見ていたら、彼の目に大粒の涙が溜まってはこぼれていく。
「なんか、ちょっと死んだ母さんのご飯と、味が似てて。いつも七味とか、なんで野菜炒めに入れるのかなって思って」
「わー! ごめんね、業平」
「おふくろの味を思い出しちゃったのね。こっちは? 鶏ハムは?」
「すごく美味しいですうう」
ジョージさんは泣きながら、鳥ハムを一気に三枚頬張った。
この人、泣き上戸だったんだ。それもまた可愛い。
うちの親父みたいに、殴ったり暴れたり、ごみの上で寝たりしないんだ。
業平の顔を見たら、デレッデレ。寄り添うように、肩に手を添えて食べさせたり、ご飯を進めたりしている。
つい虹村家では、業平がいるからあんしんしてたけど、次にジョージさんが来るときは個別にお皿に分けてあげよう。
「あの!」
むしゃあっとご飯を食べながら、ジョージさんが私と業平を見る。
「お二人はどんな関係なんですか?」