うるせえ、玉の輿。
「おんぶは、……恥ずかしいし当たっちゃうから駄目。肩を貸して」
「分かりました」
ナニが当たるのか分からず、私は首を傾げたがすぐに二人の後を追う。
ジョージさんは体つきがしっかりしているのもあり、軽々と業平に肩を貸して、ほぼ足がつかない状態の業平と階段を上がっていく。
私は傘を手にもってそのあとに続いた。
「うわあ、すごい。お洒落で綺麗な部屋ですね」
「ありがとう。可愛いものに囲まれて寝るのが好きなの」
「そうなんですね」
二人が部屋に入った瞬間、ドアノブに傘を括り付けた。
これで引こうとしてもドアは引けず、開かない。
密室で、エッチしないと出られない部屋になった。
「可愛いって、もちろん君のこともだよ」
業平が積極的にジョージさんに言葉を囁いているのが分かる。
「可愛いものに囲まれて寝たいから、おいで」
その業平の言葉は、すっぴんで王子様の顔で囁いている。
お姫様じゃない顔で、王子様の言葉を彼に囁く。
勝算は私には分からない。でも私がジョージさんだったら、断らないよ。
だから、お願い、ジョージさん。
業平を幸せにしてあげてほしいの。王子様でもいい、お姫様でもいい。
業平が幸せなら、どっちでもいいんだ、私は。