ねえ、理解不能【完】





アドバイスしてくれたのに、従わなくてごめんねの意味もこめて、妃沙ちゃんを見つめる。


さっきの強気はどうしたってくらい今は弱気だから、こんなとこ千草と広野みゆちゃんには絶対に見られたくない。




妃沙ちゃんは驚いたような顔をしたけれど、すぐに優しい穏やかな表情で困ったように笑いながら、私の背中をさすってくれた。



「よしよし。青、がんばったね」



妃沙ちゃんの優しい声。誰かさんとは大違い。





「でも次は色々考えてからにしようね、思ったら即行動が青の悪い癖なんだから」


「うん.......」







それから、妃沙ちゃんとしばらくお話した。


さっきの千草と広野みゆちゃんと私の間で起こったこと、妃沙ちゃんの今読んでる本のこと。それから、川瀬くんも元気ないこと気にしてたよって驚きの事実を教えてもらって。



「ねえ、青」

「なに?妃沙ちゃん」

「旭くんだけが全てじゃないんだからね」




だから、そんなに落ち込むことないよ、ってまたなでてくれた妃沙ちゃんの手のひら。妃沙ちゃんに想いを寄せるすべてのひとたちに自慢したい。



大分、気を紛らわすことができた。





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