ねえ、理解不能【完】
「白崎、顔あげて」
川瀬くんの優しい声にゆっくりと頭をあげると、川瀬くんはわたしの机のそばにしゃがみこんで、ふわりと笑った。
「じゃあ、これからは俺が白崎と帰りたいって理由で一緒に帰ってもいい?」
しばらく沈黙が続いた後、川瀬君がどう?と首を傾げた。
どう? って.......。
私は、川瀬くんの言葉をもう一度頭の中でなぞる。予想外な川瀬くんの発言に、理解するのが遅れてしまって。
「楽しかったから。白崎と帰るの」
「ほ、ほう」
「旭のことがもういいなら、俺はもう遠慮しない」
「........川瀬くん?」