ねえ、理解不能【完】
「クラスに櫻井いるじゃん?昨日テレビ出たらしーよ」
「へ、へえ、そうなんだ!」
「でもその時に、彼女じゃない女の子といて、取材でうつったところをテレビ見てた彼女にばれて、今喧嘩中なんだって。ちょっと可哀想で、面白い」
「そ、そーなんだ!あはは、たしかにちょっと可哀想だね」
「..........」
「.......っ、」
「ー白崎、作戦じゃないと緊張する?」
「え!」
「なんか、ぎこちないから」
今まで通りの川瀬くんと違って、私はうまく会話することができなくて、気のきいた言葉も返せない。
川瀬くんも隣で苦笑いしていて、なんだか謝りたい気分になってしまう。
川瀬くんが私のことを好きなのかもしれない、なんて馬鹿みたいなこと考えてしまったからだ。