ねえ、理解不能【完】
その日も、マーブル模様の心を抱えたまま、ゆうと帰っていた。
ゆうとの帰り道は、もう日常になりつつあって。
そのことが、少し、___寂しい。
「青ー、手」
「.......汗、かいてるよ」
「別に気にしないよ。青、嫌?」
首を横に振れば、ゆうの手がわたしの手を包んで、指がからまる。トクン、と心臓がはねる。夏なのに、さらさらなゆうの手のひらが羨ましい。私は汗っかきだし、それに緊張してるしで、さらに手の中が湿ってしまって。
「あ、本当だ。汗かいてる」
「は、離す!!」
「あはは、断る。離しません」
こんな時まで爽やかだ。爽やか代表。
わたしは恋愛不慣れ代表。 大丈夫だろうか。
いつからか、わたし達は手をつないで帰るようになって。腕は触れ合っても気にならなくなって。
それで、わたしは、千草の手がどんな風だったのかは、忘れたいって思ってる。
たかが幼なじみにいつまでも縛られ続けられる必要なんてない、時々そんなふうに強かになれたりもする。
そうやって、比べることができなくなるくらい忘れられればいい。