ねえ、理解不能【完】






その日も、マーブル模様の心を抱えたまま、ゆうと帰っていた。


ゆうとの帰り道は、もう日常になりつつあって。

そのことが、少し、___寂しい。



「青ー、手」

「.......汗、かいてるよ」

「別に気にしないよ。青、嫌?」


首を横に振れば、ゆうの手がわたしの手を包んで、指がからまる。トクン、と心臓がはねる。夏なのに、さらさらなゆうの手のひらが羨ましい。私は汗っかきだし、それに緊張してるしで、さらに手の中が湿ってしまって。



「あ、本当だ。汗かいてる」

「は、離す!!」

「あはは、断る。離しません」



こんな時まで爽やかだ。爽やか代表。
わたしは恋愛不慣れ代表。 大丈夫だろうか。



いつからか、わたし達は手をつないで帰るようになって。腕は触れ合っても気にならなくなって。



それで、わたしは、千草の手がどんな風だったのかは、忘れたいって思ってる。

たかが幼なじみにいつまでも縛られ続けられる必要なんてない、時々そんなふうに強かになれたりもする。


そうやって、比べることができなくなるくらい忘れられればいい。



< 169 / 450 >

この作品をシェア

pagetop