ねえ、理解不能【完】
その時にゆうの髪の隙間からのぞいた耳。そこで、不意に見つけてしまった、耳元で小さく光るもの。
あの日。ダブルデートの日、私が選んだブルーのひし形ピアスだ。
自分の席に戻っていくゆうの背中を見つめる。離れていく。
でも、ゆうは、きっと放してくれない。
自惚れじゃない。
分かってる。
ゆうは、私のことがきっと、大好きで。
私に恋してくれていること、自分の恋に気づいた今なら、前よりも分かるんだ。