ねえ、理解不能【完】
「あ、あのね、ゆう、今日は宿題終わらせてから家に帰ろうかなって思って。だから、待たせちゃうのも悪いから、先に帰って?」
ごめん、と手を合わせて、上目で見る。
放課後になればポニーテールもゆるんでしまって頼りなくて。
私もきっとそういう頼りない顔をしてしまってるんだと思う。
ゆうは、一度私から視線をそらして、ゆっくりと窓の方を見た。
その横顔の寂しさ、というか、冷ややかさにピクリ、と身体が反応してしまう。
そして、もう一度私に顔を向けた時には、もう穏やかな表情を浮かべていた。
「いいよ、待ってるから。悪いって思わなくてもいい」
....違う、そういうことじゃない。なんで、すんなり了承してくれないの。
不謹慎な苛立ちに、私はゆうから目をそらす。何にイライラしているかって、そんなの私自身の不甲斐なさだ。