ねえ、理解不能【完】
すぐにやったきた次の日の土曜。
服装も悩む気になれなくて。髪型も可愛くしようって思えなくて。
ダブルデートの時は悩んでいたのに、不思議だ。ゆうに、可愛いって思われなくても別にいい、なんて思ってしまっている。
自分がこんなにゲンキンな人間だなんて思わなくて、また落ち込んでしまって、せめてもの償いみたいな気持ちでリップだけはほんのりピンクの可愛いものを唇にぬった。
ゆうの家には一度も行ったことがなかったから、ゆうが私の家まで迎えにきてくれた。
金曜の別れ際に、悪いよ、って言ったけれど、気にしないで、と笑っていた。
わざわざ朝から迎えにきてくれるゆう、その耳元で光るブルーのひし形ピアス、おはよう、って微笑むわたしのことが大好きって気持ちがにじみ出ているような表情。
......今日くらいは、千草のことなんて考えずに、楽しみたい。