ねえ、理解不能【完】






「じゃあ、青、いこう?」



当然のように絡まった指先に、私も応える。

今日も今日とて、ゆうはおしゃれな服装で、髪もしっかりセットしてあって。かっこいいよ、それは今も思ってる。

だけど、だからといって心が動くことはもうなくて、それが少し切ない。




「ゆうの家、楽しみ!散らかってる?」


切なさを振り切るように冗談めかして笑いかける。

ゆうは、私を見下ろしながら、うーん、と唇を少し尖らせた。
歩幅はわたしに合わせてくれているからか、ゆうの歩くスピードは遅い。



「ふつうに綺麗だと思うよ。昨日、青が来るって思って急いで片付けしたし。あ、ゲーム機はある」


「そうなんだー、私ゲームあんまりしたことないから、やってみたい」


「意外。ゲーム好きそうだけど、したことないんだ。うん、二人でやろっか」


「やったー楽しみだ!」




他愛ない会話もできてるし、嬉しそうな顔もできてる。


何の問題も、ない。



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