ねえ、理解不能【完】





「わ、本当にキレイだ」




ゆうの部屋は一階にあった。

ゆうに続いて部屋に入るとグリーンで統一された家具と、ホコリひとつないくらいの状態に、ちょっと見惚れてしまう。

ゆうにグリーンはよく似合っているね。ブルーの何倍も。


部屋にはいったはいいものの、どうすればいいかわからずに戸惑いながら突っ立っていたら、ゆうがクスリと笑った。




「どこでも座ればいいから。楽にしてよ」



ゆうは勉強机の椅子に腰掛けたから、私は迷いながらもとりあえずゆうのベッドの上に座った。

モスグリーンの毛布が、皺になる。私の重さ分沈んだベッドは、知らない感じでなんだかそわそわした。



ゆうがベッドに座る私に、なんだかすこし困ったように目を細めたから、何か間違えてしまったのかな、なんてこっそり焦ったけれど、何が正解かなんて分からないから気にしないことにする。






< 276 / 450 >

この作品をシェア

pagetop