ねえ、理解不能【完】
かれこれ、三時間くらいだろうか。ずっと、ゲームをしていた。
目がしょぼしょぼしたし、手はしびれたけれど、ゆうは全然平気そうだった。さすが、元ゲーマーだ。
「久しぶりにやったけど、やっぱゲームって面白いな」
「うん!わたしも初めてだったけど楽しかった」
「はは、それはよかった。俺の家くればできるから、いつでもおいで」
「.....うん」
ゲーム機を片付けるために一度ベッドからおりたゆうは、てっきり勉強机の椅子に座るのかと思ったけれど、ベッドの上、私の隣に腰掛けたから、思わず、どきり、としてしまう。
だけど、そんなことをいちいち気にしてるなんて変だから、何もないふりをして、愛想笑いを浮かべた。
ゆうは笑い返さずに、目を伏せる。
それから、ゆっくりと私に瞳をあわせた。
「.....青、俺らね、そろそろ付き合って二ヶ月たつよ」
「そ、そうだっけ!はやいね」
「はやい、かあ。俺はね、やっとか、って感じだけど」
ゆうの苦笑い。真意がわからないふりをして、私は首をかしげる。
二ヶ月。はやくない。私もゆうと同じだよ。長いなって感じてる。最近は、特に、そう感じてるよ。
だけど、感じ方は、たぶんひとつも重なってない。