ねえ、理解不能【完】
だけど、あらぬことか、千草は私を抱きしめる腕にぎゅっと力をいれて、
「ちょっ?!ち、ぐさっ!」
私を離そうとはしなかった。
腕に力をいれて、じたばたと千草から離れようともがくけれど、千草は聞き入れようとなしなくて。
「じっとして」
耳元で呟かれた声に、ついに抵抗することを諦めた。
「ごめん、みゆ」
千草のなんの感情もこもっていないような声が頭の上で聞こえる。
だめだよ。千草。
はやく私のことを振りほどいて。
私が勝手に抱きついてきた、って言って広野みゆちゃんのところに行って。
だって、キスしてたじゃない。
それくらい、広野みゆちゃんのことが千草は好きなのに。
こんな状況なんて、あんまりだ。
だけど、
離さなさいで、千草。