ねえ、理解不能【完】








だけど、あらぬことか、千草は私を抱きしめる腕にぎゅっと力をいれて、


「ちょっ?!ち、ぐさっ!」


私を離そうとはしなかった。





腕に力をいれて、じたばたと千草から離れようともがくけれど、千草は聞き入れようとなしなくて。



「じっとして」


耳元で呟かれた声に、ついに抵抗することを諦めた。





「ごめん、みゆ」


千草のなんの感情もこもっていないような声が頭の上で聞こえる。






だめだよ。千草。

はやく私のことを振りほどいて。
私が勝手に抱きついてきた、って言って広野みゆちゃんのところに行って。




だって、キスしてたじゃない。



それくらい、広野みゆちゃんのことが千草は好きなのに。



こんな状況なんて、あんまりだ。








だけど、

離さなさいで、千草。







< 295 / 450 >

この作品をシェア

pagetop