ねえ、理解不能【完】






「……っ、ちいくん?なんで.....?」

「今は、ごめん、離せない」

「い、みわかんないっ、」

「ん、それは、分かってる。......でも、ごめん」





広野みゆちゃんは、きっと泣いている。

当たり前だ。こんなの、ありえない。





「みゆ、お願い。今日は、帰って」





千草の声は、相変わらず無機質で何を考えているのかなんて全く分からなかったけれど、ゆるまることのない私を包む力が、千草の意思が変わらないことを代弁してるみたいで。





広野みゆちゃんの気配が近づいてくる。



私は怖くなって、千草の胸に中でぎゅうっと目を瞑る。ショートパンツから伸びる足を夏にしては冷たい風がなぞって、一部分だけ鳥肌がたつ。





「やだ。なんで私が帰るの? 帰らないっ」




広野みゆちゃんの泣き声に怒りが交じる。いつも天使みたいな可愛い声がこんな風に怒るなんて知らなかった。


千草が、ふぅ、と小さくため息をつく。





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