ねえ、理解不能【完】





私は、千草の胸を弱い力で押す。そうしたらよくやく千草は私との間に僅かな隙間をあけて、背中にまわしていた腕を解いた。

身体を包んでいた温かさが徐々に消えていく。寂しい、と一瞬感じてしまって、自分から離したくせに、自分の欲深さに呆れてしまう。




「.......青、何があったの」

「...........」







「なあ、全部話せよ」




千草が私の腕をぎゅっと掴んで、家の中へ引っ張った。

手首を掴む力があまりにも強くて、千草が怒りだしたことに気づく。




私は強引に引っ張られて、前のめりになってしまう。転ばないように、急いでスニーカーを脱いで、千草のあとに続いて階段を上る。





そして、千草の部屋に入った。




< 299 / 450 >

この作品をシェア

pagetop