ねえ、理解不能【完】
私は、千草の胸を弱い力で押す。そうしたらよくやく千草は私との間に僅かな隙間をあけて、背中にまわしていた腕を解いた。
身体を包んでいた温かさが徐々に消えていく。寂しい、と一瞬感じてしまって、自分から離したくせに、自分の欲深さに呆れてしまう。
「.......青、何があったの」
「...........」
「なあ、全部話せよ」
千草が私の腕をぎゅっと掴んで、家の中へ引っ張った。
手首を掴む力があまりにも強くて、千草が怒りだしたことに気づく。
私は強引に引っ張られて、前のめりになってしまう。転ばないように、急いでスニーカーを脱いで、千草のあとに続いて階段を上る。
そして、千草の部屋に入った。