ねえ、理解不能【完】
その言葉に、プツリ、と何かが頭できれる。
俯いていた顔を勢いよくあげて、千草の胸を力まかせに押した。
「言ってないし!!!ふざけんな!!!ばか!!!」
押したのに。
後ろに間抜けに倒れることをねらったのに。
千草の身体はびくともしなくて。
ムカつく。
信用されてない。
好きなのにそれを信用されてないみたいで、腹が立ってくやしくて、それで悲しくなった。
関係に名前がなかったから、ほかの女の子たちに説明できなかっただけなのに。
一昨日も昨日も、その名前をくれなかったのは千草なのに。
結婚しよう、ってお互いに確認してないのに、夫婦になるひとたちなんていないでしょ?
それとこれとは訳が違うかもしれないけれど、付き合おう、って言われないと、千草が彼氏になったのか、私が千草の彼女になったのか、そんなの分からない。