ねえ、理解不能【完】
「・・・一昨日、付き合うことになったと思った」
「・・・・・・だって、付き合って って、言われてない、し」
「ふつう、言わなくても分かる」
つねられていた頬を、今度は指でなぞられて。
ぞわ、と不快感なんてひとつもないただただ甘い感覚に、睨む威勢が弱くなってしまう。
なんなの、分からない。分からないし。
そうやって、大切そうに触れられたって分かってあげないし。
言ってくれるまで、絶対に分からないふりしてやる。
そう決めたのに、
決めた瞬間、
「ーー俺と付き合って」
あっさりと、千草の口からは、欲しかった言葉がおとされて。