ねえ、理解不能【完】





耳元に寄せられた唇が、かするように私の耳の裏側に触れて、それで、







「・・・彼女にするキス、していい?」







ぞわ、心臓の奥も、お腹の下の部分も甘く甘く震える。


なに、それ。どういう声。
なんてこと言うの。




知らない、千草。

知らない男の人みたいで、でも、千草だからこんなにも身体が甘く震えるんだって、知ってる。





私は、小さく、本当に小さく、頷く。



それが、合図、だった。






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