ねえ、理解不能【完】
千草の友達らしき男の子の中には、千草と私を交互に見て訳が分からないとでも言うようにぽかーんと口を開けてる人もいる。
いったいどこの女だ?って言いたげなその感じ。
広野みゆちゃんやその他大勢の女の子と同じように、千草に気があってアピールしにきたなんて思われていたら心外だ。
私と千草は幼なじみだから。
恋人同士でもなければ、私が一方的に片思いしているわけでもないこと、察してほしい。
私に視線を向ける彼らに目で訴えかけてみるけど、全然通じなかった。
そして終いには、男の子のうちの一人がニヤリと笑い出して千草を小突いた。
そのだらしない顔からしてなにか良からぬことを考えているのは間違いないし、だいたいそういう予感はあたるから、少しだけ怖い顔で彼らを睨んでみる。
「旭くんー?もしかして新しい彼女さんですかー?」
…… ほら、きた。いつもと同じパターン。
千草と仲がいいなら、私と千草が幼なじみだってことくらい分かっていてほしい。彼女さんってなんだ、ばか。そんな安っぽいものと間違えないでよ。
「…… ちがうよ」
「マジ?じゃあ修羅場?みたいな?」
「ちがう、なんでそうなんの」