彼女は実は男で溺愛で
彼の恋人

 彼とは時間をズラして出社をし、再び職場で顔を合わせた。
 秘密の恋人という関係が、なんだかくすぐったい。

「仕事の指示を出したいから」と言われ、会議室で打ち合わせをする。

 昨日、染谷さんが出社して作業したものは、遠い順から郵送していて、あとは近いショップのものばかり。

「なんとか、連休の後半初日に届けられそうだ」

 安堵の表情を浮かべる染谷さんに、私も微笑んだ。

「染谷さんの休日出勤が報われて、よかったです」

 イメージを印刷したものを数枚、ショップに郵送し、印刷会社からは改めてパンフレットが届けられる。

 今回送ったものは、店頭での貼り出し用。
 お客様に配るまでは用意できなくても、店頭で興味を持ってもらえれば、というのが、ショップと染谷さんとの妥協案らしい。
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