彼女は実は男で溺愛で
仕事に行くと、今日は秋物の撮影をするからと、朝から隣のビルで集合となった。
どちらの格好で来るのかな、と思っていたら、女性の悠里さんがやって来た。
「この姿も考え直さないとなあ」
「え、やめちゃうんですか」
「うん。どうしようか、迷っている」
それは、どうして。
その疑問は聞けないまま、撮影をするスタジオへと向かった。
前と同じようにスタッフに指示を出す悠里さんに付き、私も仕事を覚えようとメモを取る。
悠里さんがメイクさんに声をかけられ、連れられて行くと「市村さん」と、カメラマンの男性に声をかけられ、私はその場に留まった。
「たまには息抜かないと、疲れるだろ。こっちの仕事は覚える内容が多くて、慌ただしいから」
今はモデルさんの調整で、バタバタしている。
カメラマンさんは暇をしていたようで、話し相手がほしくて、私を捕まえたようだ。