リグレット・レター
手紙はもう、この部屋にはない。空っぽになった引き出しと青空を見て、エルサは「うん、わかったよ」と泣きながら微笑んだ。

怖いという思いは何もなかった。むしろ、胸は温かくなっていく。これは菊からのメッセージだ。エルサは「泣くのはこれで最後だから」と言う。

後悔ばかりの手紙は、菊が全て持って行ってくれた。今度は感謝の手紙を書こうとエルサは思う。

泣き続けるエルサを、ドアの向こうからルイーザが微笑んで見つめていた。



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