Get over it.
次の日、私は学校に行った。

こんな身に覚えのないことで負けるのはイヤだった。



でも、現実はそんな甘いものではなかった。



ガーディアンからの追放は、昨日のうちにSNSで全校生徒の知ることと
なってしまっていた。

いつも以上の周りからの冷たい視線と罵倒に耐え切れなくなって、
私は図書室に駆け込んだ。


「大変そうだね」

「・・・そうだね。私、何もしてないのに・・・なんでなのかな」

「どうしたい、どうして欲しい?」

「龍生・・私を・・・私を、助けて・・・一人はイヤなの・・・」

「玲、全てを捨てて、俺に身も心も捧げる覚悟はある?」

「私ね・・何もなくなったの、仲間も居場所も家族も、何もないの。
 だから、龍生が私の側にいてくれるのなら、それだけでいい。」

「じゃあさー、そのメガネもコンタクトもウィッグも外そうか」

「エッ!知ってたの!」


私は、自分の容姿が嫌いだった。
亡くなった父がロシアのハーフだったためか、地毛は腰まである
アッシュグレーにウェーブがかった髪。
瞳はグレー。
義父はこの容姿を忌嫌ったため、隠すようにしていた。


「実は俺もさー。同じなんだよね。」

そう言って、ウィッグとメガネを外した素顔は、緩いパーマをかけた
ツーブロックで漆黒の髪と瞳。
完璧な容姿で地味男とは真逆のイケメンがそこにいた。


「俺についてくるか?」

「うん、龍生について行く!」





私は、全てを捨てて新しく生きることになった。


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