雪の降る日
社の屋根の下で並んで座る。手は、繋いだまま。

「ちょっ……、ほんとに待ってください。髪とかぼさぼさなんですよ、人に、見せられない」

「大丈夫大丈夫」

「大丈夫じゃない。やなんですよ!」

「なんで!」

「だって、可愛くない……!」

言ってしまってから慌てて口を押さえても、もう遅い。

繋いでいる手が、ぎゅっと握られた。

「それって、どういう意味?」

「ど……」

「俺の前では可愛くいたいってこと?」

「……っ!」

紅潮した顔が答えだ。

春花の潤んだ瞳を見て、彼が呟いた。

「……やば。可愛い」
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