雨の滴と恋の雫とエトセトラ
「私はとっくに気がついたよ。あの試食会の時で。池谷くんが、山之内君を真由と座らせないように腕を引っ張ってカウンターに座らせたこと。試食後、どれが 一番美味しかったかと聞いたとき、山之内君の意見のあと池谷君も嬉しそうに同じだと言って合わせてたこと。池谷君の山之内君を見る目や、喋ってる時の楽しそうな笑い声もそうだけど、それを総合して、なぜ真由に敵意を向けるのか、その理由は一つしかない」

 私はここまで聞いて唖然としていた。

 私もわかりかけていた。

「それって、瑛太は拓登の事が好きってこと?」

「そう」

「うそっ」

「そう考えたら、しっくりとくるんだ。私がそう思うようになったのは、うちのアキと仲良くなれたっていうのが、ピピピと来たんだよ。アキは見かけが女っぽいから、からかう男が多いんだ。アキは気にせずに適当にやり過ごしてるけど、心を開くことは絶対にないんだ。よほど理解してくれる人じゃないと。その点、 池谷君はそういう気質があるからか、アキとは真面目に接してくれて、アキはそこで信頼を抱いたんだ。それがあったから池谷君がどこか違う風に見えたんだ」

 そんな風に言われると、私も思い当たる事があった。

 瑛太はとにかく私の前ではネチネチしてしつこい。

 これは女性独特の性格に値するかもしれない。

 中学の時は女嫌いで有名だったと友達の萌もいっていた。

 やっぱり当てはまる。

「まさか」

 それでも私はどこかで否定をしようとしていた。

 そして何かの証拠を探すように、私はヒロヤさんの方を見た。

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