雨の滴と恋の雫とエトセトラ
 時に拓登が日本に里帰りすることもあっただろうが、その時、街で会ったとしても、すれ違うだけで好きになるのもおかしい。

 お互いの出会いがあったから、口をきくなり、どこかでコミュニケーションがあったに違いない。

 そうすると、拓登も瑛太を知っていないとおかしい。

 ということは二人は初対面じゃなかった?

 いや、でも二人は私の前では初めて出会った態度だったが、あれはなんだったのだろう。

 瑛太が拓登と会った事を覚えていて、拓登は忘れていたってことだろうか。

 考えれば考えるほど、齟齬が生じて分からなくなってくる。

 これは一体どういうこと?

 拓登と一緒に帰ったとき、思い切って聞いてみることにした。

 そして金曜日の放課後、それが実現した。

 それは連休を控えた前日であり、その夕方には阿部君と待ち合わせをしている日でもあった。

 すっきりしない気持ちを反映するように、天気も重い垂れ込めた雲がどんよりと広がっている曇り空だった。

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