雨の滴と恋の雫とエトセトラ
「ううん、これといって予定はないけど、溜まってる本は読みたいなとは思ってる」

「あっ、そうだ。本で思い出した。あのお薦めしてくれた本、読んだよ。すごかった。最初は説明ぽくって、読めるかなって不安になったけど、すぐに面白く なってハラハラした。あんなに夢中になって読んだことなかったくらい、興味を鷲づかみにされたよ。教えてくれてありがとう」

「そういってもらえれば、紹介してよかった」

 拓登はその後も色々とその本について話し、そしてお気に入りのキャラクターの話がでたとき、私はふと思った。

 あの話には多くの子供達が出てくるが、同性愛が許されている部分があって、むしろ大人になるまでの間は異性とは性的な関係をもてないが、同性同士だけは許されているという設定だった。

 そこに覚と瞬という男の子達がいるが、覚は瞬に憧れている描写が生々しく出てきていた。

 その場面を急に思い出し、そんな話を薦めてしまったことに、私は突然はっとした。

 まさか、拓登も瑛太に気があるとか…… 

 つい私は勘ぐってしまう。

 拓登も実はどこかで瑛太に興味を持っていて、それをカムフラージュするために、私に気があるようにしているだけとかないだろうか。

 私がいることで、拓登も瑛太も三角関係を装って堂々と一緒にいる事ができるし、世間では何も不自然には思われない。

 これもありえるだけに、私はなんだかもう何を考えていいのか分からなくなってきていた。

 でももしそうだったらどうしよう。

 私は不安げに拓登をじっと見つめてしまった。

「どうしたんだい、真由。なんか今日は変だね。何か心配事でもあるのかい?」

 心配事?

 大いにある。

 でもそんなこと口が裂けても言えない。

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