雨の滴と恋の雫とエトセトラ
「なんだか雨が降りそう」

「うん、今夜から降るとは言ってたけど、先に降れば残りの連休は晴れるだろうから、その方がいいかもね」

 曇り空のせいで、すでに外は薄暗かった。

 夕方六時だと、すでに暗くなっているのではないだろうか。

 そんな時に灯りがない神社に待ち合わせというのも、変な気がした。

 果たして阿部君は本当に来てくれるのだろうか。

 天気のせいにはしたくないのだが、こんなどんよりとした空を眺めていると、気分はどんどん落ち込んで行くように思える。

 阿部君に会うのもとても気が重かった。

 拓登にこの事を話せば、もしかしたら一緒に行ってくれるんじゃないだろうか。

 思い切って話してみようかと思いつつ、拓登の顔を見るが、拓登の爽やかな笑顔が却って言い出しにくくなってしまった。

 それに、小学一年生の話とはいえ、キスをした犯人を拓登に紹介してどうなるというのだろうか。

 私はひっそりと解決する事を決め、それでこの過去の記憶を封印することにした。

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