雨の滴と恋の雫とエトセトラ
9
「瑛太なの?」
「よぉ、真由。こんなところでデートか? へぇ、相手は茂じゃないか。頭のいい者同志、中々似合いのカップルだね」
「ちょっと瑛太、何を言ってるの? あんたここで何をしてるのよ」
「瑛太、もういい加減にしないか。僕は疲れたよ。やっぱり僕には重荷だ。やっぱり嘘はだめだよ。倉持さん、ごめんね」
「阿部君、どうしたの?」
「どうもこうもないよ。僕は瑛太とグルで嘘をついてたんだ」
「えっ、嘘?」
「おいおい、茂、それはないだろ。この場に及んで何いってんだよ」
それでも瑛太は慌てることなく余裕タップリに落ち着いていた。
「ちょっと待って、嘘ってどういうこと? じゃあ、キスをした人って阿部君じゃなかったの?」
阿部君は一つため息を吐いた。
「あの時、確かに僕も一緒にそこに居たんだ。囃し立てた一人としてね。倉持さん、よく思い出してごらん、あの雨の日、君の後ろに三人いたはずだ。一人は僕で、もう一人が瑛太。その最後が、君にキスをした奴だ」
「で、その人は誰?」
「倉持さんが手紙を書いた子だよ。倉持さんの席の隣に座っていた子だよ。覚えてないかい?」
「おいおい、茂、そんなヒントなんてやる必要がないんだよ。なんで急に裏切るんだよ」
「何を言ってるんだ。別に裏切ってるわけじゃない。ただ僕はもうゲームには付き合いたくない」
阿部君は静かに言い返していた。
「ゲームって何?」
「倉持さん、全ては君の記憶にかかっている。それを思い出さないことには、君もこのゲームから抜け出すことはできないよ」
「ちょっと、まって、阿部君。私はゲームなんて参加してないし、何のことかわからないんだけど」
「良く考えてごらん。なんでこんなことになっているのか。それは倉持さんが過去の事を思い出せないからなんだ」
「私が思い出せない事が、どうしてゲームになるのよ。瑛太、一体どういうことか説明して」
「おいおい、そう突っかかるなよ。全てが俺が悪いみたいじゃないか。まあ、煽ったのは俺だけど、でも最後まで頑なにこのゲームを続けると言った主犯者は俺じゃない」
「だったら、一体誰よ」
「それが、真由にキスした犯人に決まってるじゃないか」
瑛太は吐き捨てるように言った。
「倉持さん、思い出してごらん。君の隣に座っていた男の子のこと」
瑛太とは対照的に、阿部君は催眠術をかけるように、落ち着いた声で私に施す。
隣の席に座っていた男の子。
手紙を書いて渡したけど、私はもらえなかった。
でもその手紙がすごく欲しくて、ずっと探していた。
なぜ、その手紙が欲しかったのか。
それはその男の子の事が好きだったから。
「瑛太なの?」
「よぉ、真由。こんなところでデートか? へぇ、相手は茂じゃないか。頭のいい者同志、中々似合いのカップルだね」
「ちょっと瑛太、何を言ってるの? あんたここで何をしてるのよ」
「瑛太、もういい加減にしないか。僕は疲れたよ。やっぱり僕には重荷だ。やっぱり嘘はだめだよ。倉持さん、ごめんね」
「阿部君、どうしたの?」
「どうもこうもないよ。僕は瑛太とグルで嘘をついてたんだ」
「えっ、嘘?」
「おいおい、茂、それはないだろ。この場に及んで何いってんだよ」
それでも瑛太は慌てることなく余裕タップリに落ち着いていた。
「ちょっと待って、嘘ってどういうこと? じゃあ、キスをした人って阿部君じゃなかったの?」
阿部君は一つため息を吐いた。
「あの時、確かに僕も一緒にそこに居たんだ。囃し立てた一人としてね。倉持さん、よく思い出してごらん、あの雨の日、君の後ろに三人いたはずだ。一人は僕で、もう一人が瑛太。その最後が、君にキスをした奴だ」
「で、その人は誰?」
「倉持さんが手紙を書いた子だよ。倉持さんの席の隣に座っていた子だよ。覚えてないかい?」
「おいおい、茂、そんなヒントなんてやる必要がないんだよ。なんで急に裏切るんだよ」
「何を言ってるんだ。別に裏切ってるわけじゃない。ただ僕はもうゲームには付き合いたくない」
阿部君は静かに言い返していた。
「ゲームって何?」
「倉持さん、全ては君の記憶にかかっている。それを思い出さないことには、君もこのゲームから抜け出すことはできないよ」
「ちょっと、まって、阿部君。私はゲームなんて参加してないし、何のことかわからないんだけど」
「良く考えてごらん。なんでこんなことになっているのか。それは倉持さんが過去の事を思い出せないからなんだ」
「私が思い出せない事が、どうしてゲームになるのよ。瑛太、一体どういうことか説明して」
「おいおい、そう突っかかるなよ。全てが俺が悪いみたいじゃないか。まあ、煽ったのは俺だけど、でも最後まで頑なにこのゲームを続けると言った主犯者は俺じゃない」
「だったら、一体誰よ」
「それが、真由にキスした犯人に決まってるじゃないか」
瑛太は吐き捨てるように言った。
「倉持さん、思い出してごらん。君の隣に座っていた男の子のこと」
瑛太とは対照的に、阿部君は催眠術をかけるように、落ち着いた声で私に施す。
隣の席に座っていた男の子。
手紙を書いて渡したけど、私はもらえなかった。
でもその手紙がすごく欲しくて、ずっと探していた。
なぜ、その手紙が欲しかったのか。
それはその男の子の事が好きだったから。