一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
これだけ顔が整っているうえにスタイルもよくて、しかも名家の御曹司ときたら、女の人が放っておくはずがない。よりどりみどりなのだから、私が彼だったとしても、ひとりの女性に縛られるなんてもったいないと思う。
今さらながら、妙に納得してしまった。
私が彼に求められた意味。
表向きだけの奥さんがきれいな人だったら、遊び相手たちが嫉妬する。だから私くらい平凡な女の方が、お飾りとしてはちょうどいいのだろう。
「あーお腹空いた。今日の夕食はなんだろうな」
「おまえ、さっきプリン食べてなかったか」
「知らないんですか? 女性の胃袋は甘いものが入るスペースと食事が入るスペースで別れてるんですよ」
「そんなわけあるか」
呆れた声に「ふふっ」と笑いながらお腹をさすっているうちに、はっと思い出す。