一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

「撮るに決まってるでしょ! なんのために着せたと思ってるのよ!」

 当然の権利だといわんばかりの剣幕に、勢いが削がれる。

「で、でも」

 こんな格好、下着姿よりも恥ずかしい気がする。

「モケミちゃん、ちょっとそこのソファに寝そべって」

「え」

「早く!」

 美人は怒ると恐い。勢いに呑まれてしぶしぶソファに寝そべると、伊都さんは顔を真っ赤にしてさらにスマホを構えた。

「かわいい! モケミちゃん最高よ! 視線、こっちに!」

 突然始まった撮影会に、わけがわからないまま言われた通りにポーズをつくる。顔は終始引き攣っているけれど、笑ってとか怒ってとか、表情への要求がないのが救いだ。

「モケミちゃん!」

 伊都さんは本当に嬉しそうだった。

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