一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 子どもみたいな無邪気なはしゃぎようで、さっきまでの皮肉っぽい雰囲気とは正反対だ。だいぶ無理やりやさられているけれど、彼女の喜んだ姿を見ているうちに、まあしょうがないか、という気持ちになった。少々傲慢なところはあるけれど、伊都さんはとても素直で裏表がない人ということなのかもしれない。

「その写真、どうするんですか?」

 顔を寄せてふたりで写真を撮ったあとで尋ねると、彼女はしれっと答えた。

「SNSの専用アカウントでアップするわ」

「え、ネットに載せるんですか⁉」

 伊都さんに写真を撮られるのはまだしも、こんな格好をしている写真を不特定多数の人に見られるのはさすがに抵抗がある。

「それはちょっと」と言いかけた私に、伊都さんはつんとすました声で言う。

< 136 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop