一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 つられて見ると、棚の時計は午後六時半を差している。

「学校の課題をやらなきゃ。じゃあね! 楽しかったわモケミちゃん!」

 そう言うと、伊都さんはまさしく嵐のように去っていった。

 ソファにぽつんと残されたまま、呆然とする。いったいなんの時間だったのか、まだ頭のなかで整理がつかない。

 ひとつわかったことは、二條家の人間はとてもクセが強いということだ。

 はあっと大きく息をついたところでふと自分の姿を顧みる。

 獣の耳にふさふさのしっぽ。ぎりぎり隠れているにすぎない胸と大胆に露出している脚。

 家の中だけならまだしも、やっぱり外でこの格好をするのは抵抗がある。イベントの話はあとできちんとお断りしなきゃ。できれば写真のことも。と考えているうちにはっとした。

 慌てて背中に手を回し、さっと血の気が引く。

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