一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
どこかに隠れなきゃと辺りを見回すけれど、いつも楓さんがぴかぴかに掃除をしてくれている室内はどこもかしこも片付いていて、身を隠せそうな場所はない。
どうしよう。
ひとまずキッチンカウンターの陰に隠れようとした瞬間、リビングのドアが開かれた。
「帰ったぞ、愛」
両腕に抱えた紙袋から中身を取り出しながら、雅臣が入ってくる。
「夕食用にサルヴァトーレのパスタとピザを買ってきたから、皿を」
そこまで言って、彼は言葉を切った。
目が合い、時間が停止する。
雅臣は固まっていた。ドア開けたまま立ち尽くし、ぽかんとした顔で私を見つめる。
視線が交差したまま、私は動けなかった。