一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
雅臣はいつもの黒塗りではなく、スポーツタイプの赤い車のロックを解除し助手席のドアを開けた。促されるままシートに乗りこみ、運転席に回った彼を見る。
「あの、今日はお仕事は?」
雅臣はシートベルトを締めると、ボードに置いてあったサングラスをかけた。
「休みだ」
そう言うと、レバーを操作してアクセルを踏み込んだ。
…
最初に連れていかれたのは映画館だった。といっても私が知っているような映画館とは全然違い、VIP専用の入口や通路を通ってたどり着いたそこはほとんど個室になっていた。
お酒や食事を楽しみながら最新の映画を鑑賞できるプライベートルーム。そんなものが映画館にあるなんて、はじめて知った。
運転をするからとアルコールを断った雅臣は、代わりにポップコーンを要求し、バケツみたいな大きさのそれを私に押し付けた。