一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 蓋を開けてみれば、私たちの絵画の知識なんてたかが知れていた。お互いに音声ガイドの説明に感銘を受けるという形で勝負は終結したのだった。

「もうくたくただわ」

 気がつくと三時間立ちっぱなしで館内を回っていたのだ。疲れ切っている私を横目に、雅臣は平然とした顔をしている。

「まったく体力がないな。仕方ない。軽く休憩を取ってからにするか」

「休憩を取ってからって……まだどこかに行くの?」

 駐車場へ向かって公園内を歩きながら目を向けると、雅臣は大きな目をすがめた。

「ここからが本番だろうが」

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