一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 頬を落ちていく涙すらあたたかく感じるのは、この広い腕のなかにいるからだろうか。

 抱きしめられたまま、私は泣いた。

 これまでずっと、それこそ母が倒れてからずっと我慢していたものが一度にあふれたみたいに、涙はちっとも止まらない。

 雅臣はもう何も言わなかった。

 ただじっと、私が泣き疲れて眠るまで、やさしく包みこんでくれていた。





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