一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 …

 目が覚めると、夢みたいに寝心地のいいベッドの上だった。

 ここのところ寝起きに感じていた倦怠感が嘘のようになくなっている。薄曇りのようにぼんやりしていた頭がすっきり冴えわたっていて、久しぶりにぐっすり眠れたのだと気づいた。

 いつもと違うベッドだからかな? でも、高級に違いないマットレスや手触りのいいシーツなら雅臣邸のものだって同じだ。

 不思議に思いながらごろりと寝返りを打った瞬間、目と鼻の先に端正な顔が現れて悲鳴を上げそうになった。

「ま、雅臣……」

 寝息を立てている彼を起こさないようにそろりと身を起こす。いつの間にか閉じられていた分厚いカーテンの隙間から、微かに光が差しこんでいた。

< 199 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop