一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
黄色やオレンジ色や白色の花がたくさんアレンジされた花束は、くすんだ六人部屋の病室では明るすぎるくらいに鮮やかだ。それを受け取りながら、母は困惑した目で雅臣を見上げている。
私は頭が真っ白だった。プリンのカップをもって丸椅子に腰かけたまま、呆然と彼を見つめる。
「愛さんとお付き合いさせてもらっています。今日は結婚のお許しをいただきに」
「ええっ⁉」
「ちょっ!」
立ち上がった拍子に、丸椅子が倒れた。そのまま彼に詰め寄ろうとしたら、ワンピースの端を引っ張られる。
「愛、そうなの? もう、どうして言ってくれないのよ!」
頬を上気させて、母は雅臣を見上げた。
「すみません。今日いらっしゃるって知ってたら、もう少しちゃんとした格好でお迎えしましたのに」