負け犬の傷に、キス
たしか2階は……大部屋1つ、小部屋5つ。
薫と柏の担当だから、トラップはひとつでいいと決めたんだっけ。
柏のヤツ、やりすぎてなきゃいいけど。
――ドンッ!!
「ひえっ!?」
非常階段のほうから2階の廊下に来たら。
ひょろい男が吹っ飛んできた。
すぐ横の壁に激突した男は、泡をふいて崩れ落ちた。
歓迎の仕方が野蛮すぎないか……!?
「あ、キユー」
「か、薫……これやったの?」
「ああうん、そう」
何をわかりきったことを、と流し目で訴えてくる。
相変わらず、冷淡な戦闘スタイルつらぬいてるな。
「そいつで小部屋のほうラストだから」
「えっ、そうなの!?」
「あとは大部屋。といっても数はそんないないから、先に下っ端半分つれて1階行くね」
「わ、わかった!」
痛覚をマヒした薬物使用者を相手にしてるのに仕事が早い。
コツでもつかんだのか?
元々の実力が高いのも勝因のひとつなのかもしれない。
「そいつの拘束よろしく」
そう言って薫は、下っ端たちと階段を駆け下りていった。
各小部屋では下っ端数人が拘束係をうけ負ってくれていた。
3階より標的の人数が多い。
全員の拘束には時間がかかりそうだ。