負け犬の傷に、キス
「やあっ!!」
ユキは真正面から敵の脳天に竹刀を振りかざした。
一撃で失神させてる。
竹刀は休むことなく、次の敵に狙いを向けられた。
博くんとユキがケンカしてるところを初めてまともに見た。
正直腕っぷしは双雷のほうが上。
だけどめちゃくちゃ強い!
動きにムダがなく、効率がいい。
それは薫にもあてはまるんだろうけど……。
「半径1メートル以内に近づくな、ゲスが」
長い足がふっ飛ばした敵に、敵2人がぶつかった。
二次被害が大きい。
薫の場合、無慈悲さが目立つ。
効率のよさは結果論というか。
とことん冷酷なんだよな。
決して自分のテリトリーには入れさせない。その薫ルールを死守できるくらいの強さがある。
だからか薫のシャツだけが今でも真っ白。
美しすぎる容姿に
“セレブ犬”という異名に
だまされたヤツの末路はどれも悲惨だった。
思い出したくもない。
双雷の副総長になめてかかるのは、とんだピエロだ。
「女みてぇなナリして気持ち悪ぃな」
ああまた、ピエロが1人。
「気持ち悪いのはあんたのほうだよ」
秒殺。
薫の肘鉄でこめかみを突かれた。
「容赦ないな」
「……キユー、いたの」
「いたよ」
「そいつ縛って」
「はいはい」