ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

「前にも同じようなことはありましたか？」
警察官の質問に椿は震えながら首を縦に振る。
「それで実家から離れたの？」
「・・・はい・・・でも・・・見つかるたびに・・・引っ越して・・・」
「それは全部同じ人？」
椿はその質問に首を横に振る。

「今までも、母のパートナーで・・・・違う人も・・・」

凌駕は思わず目を閉じて唇をかみしめた。


挙動不審な態度で、はじめは接客ができないんじゃないかと思うような椿の態度。
その態度の理由が今になって分かった。

「この後、もう帰宅することもできるけど。まだ、あなたに被害を与えた男性はつかまってはいないの。家にも帰っていないみたいだし。保護施設であなたの身を守ることもできるけど。どうする？」
警察官の言葉に腕を組みながらじっと話を聞いていた海が立ち上がった。